
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日本のほぼ中央にある岐阜県のなかでも、さらに中心部に位置する美濃市。
関東・関西のいずれからもアクセスがよく、岐阜市からは車で約40分、名古屋市からは約50分の近さです。
日本三大清流・長良川や板取川などの美しく冷たい水と和紙の原料となる良質なコウゾに恵まれ、和紙産業のまちとして栄えてきました。現在も和紙工房が点在し、各所で美濃和紙の美しさに触れられます。
まちの中心部には、歴史的景観が残る「うだつの上がる町並み」が。
江戸時代、和紙により財をなした商人たちが富を競うようにもうけた、うだつの上がる威風堂々とした町並みは、多くの観光客を魅了しています。
奈良の正倉院に保存されている戸籍用紙の一部に美濃和紙が使われていたことが、奈良時代の「正倉院文書」に記されている美濃和紙。このことから、少なくとも1300年以上の歴史を誇るとされています。
越前和紙、土佐和紙とともに日本三大和紙のひとつに数えられ、薄さと丈夫さ、美しさが共存する点が最大の特徴です。なかでも、光に透かしたときの美しさは随一。古くから障子や提灯に重宝されてきました。
1969年に国の重要無形文化財、1985年に国の伝統工芸品の指定を受け、2014年には「本美濃紙」の手すき技術がユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。
名だたる国宝級の文化財の修復に度々使用されているほか、2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックの表彰状にも使用された美濃和紙。美濃市、そして日本が世界に誇る伝統工芸品です。
美濃市を象徴する、美濃和紙とうだつの上がる町並み。
もちろん、美濃市の魅力的はこれだけではありません。
美しい清流と山々が見せる四季折々の景色、自然まるごと体感できるアクティビティ、
土地の文化に育まれたご当地グルメなど…。
ゆったりと非日常を味わえる旅館からあたたかな交流生まれるゲストハウスまで、宿泊施設も充実。
一日たっぷり観光を楽しんで、泊まって、ぜひ美濃市を満喫してください。
比較的狭いエリアのなかで、観光名所がぎゅっと集まる美濃市。
町並み散策とあわせて、ここでしかできない貴重な体験を味わってみませんか?
新緑と紅葉が美しい写真映えスポット
「大矢田神社」まで 車で約15分
清流を全身で体感するラフティング体験ができる
「洲原エリア」まで 車で約10分
うだつの上がる町並みには、古民家を改装したおしゃれなカフェやベーカリー、各種鑑評会で多数受賞する酒蔵など、立ち寄りたいスポットが満載です。
市外の近隣エリアとあわせた周遊観光もおすすめ。「奥美濃の小京都」とも呼ばれ、郡上おどりで有名な郡上八幡(郡上市)や世界三大刃物産地である「刃物のまち」関市など、セットで観光したい魅力的なまちがいっぱいです。岐阜市や名古屋市へも車で1時間とかかりません。岐阜市・名古屋市を拠点とした観光にも最適です。
01
和紙産業のまちとして栄えてきた美濃市。江戸時代には領主・金森長近が紙の一大産地として築き上げ、今もその面影を色濃く残しています。春の桜が美しい小倉山城跡や物資運送の玄関口として築かれ、今も長良川沿いに佇む川湊灯台、江戸の風情と心意気が息づく城下町・うだつの上がる町並みなど…。
うだつの上がる町並みには、江戸時代だけでなく、明治・大正時代に建築された歴史的建造物も。美濃市役所旧本庁舎や美濃市郷土博物館なども見どころです。今も昔も変わらぬ歴史的景観に、しっとりと思いを馳せる時間を過ごしてみませんか。
うだつの上がる町並みは、江戸時代に領主・金森長近によって築かれた城下町です。
「うだつ」とは、屋根の両端に作られた防火壁のこと。江戸時代、火事の際の類焼を防ぐためのものでしたが、当時の豪商たちがその富を競い合うように、それぞれ立派な「うだつ」をもうけました。
美濃市で最も古い形のうだつ軒飾りが上がる、旧今井家住宅。
鬼瓦は小さく、破風瓦の下に懸魚が見られません。最も大きな特徴は破風瓦を左右に2枚ずつしつらえていることです。水琴窟も見どころのひとつ。ひと回り大きく復元され、訪れた人の耳を楽しませています。
02
ユネスコ世界無形文化遺産にも登録され、1300年以上の歴史がある美濃和紙(本美濃紙)。紙をすく際、通常の「縦揺り」に、ゆったりとした「横揺り」を加えて繊維を絡み合わせるという特有の技法により、柔らかみのある繊細な風合いをもちながらも強くて丈夫なのが特徴です。
美濃市内には今でも多くの和紙屋があり、見学や体験が可能です。ぬくもりある紙すきの音や水の冷たさを体感し、できあがった自分だけの美濃和紙は旅の思い出にぴったり。便箋や照明に靴下まで、日々の暮らしに役立つ美濃和紙を使った雑貨も充実しています。
水に強く丈夫で、美しい。ちょっと敷居が高く感じる伝統工芸品も、実は生活に適ったものなんだ―。そんな発見に出会えます。
美濃和紙の歴史と技術を伝える美濃和紙の里会館などで、紙すき体験ができます。職人が使う本物の道具、天然の原料を使って、あなただけの美濃和紙づくりにチャレンジしてみませんか。はがきや落水紙など、作った美濃和紙は持ち帰ることができるので、旅の記念になるでしょう。
光を透かしたときに、美しさを増す美濃和紙。毎年10月には、伝統あるうだつのあがる町並みとスタイリッシュなあかりアートが幻想的に融けあう「美濃和紙あかりアート展」が開かれ、美濃市の夜を彩ります。
美濃和紙を使った照明は市内の商店で購入も可能。洋室にもあう和モダンなデザインが人気です。
03
面積の80%を森林が占め、日本三大清流・長良川や透明度抜群の板取川が流れる美濃市は自然が豊か。
観て楽しむだけでなく、体験できるアクティビティも充実しています。
川を楽しむ | ラフティング | 清流長良川を豪快に下る、ドキドキのアクティビティ。 ガイドがしっかりと案内するので、初めての方やお子さんも安心です。 |
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鮎の友釣り | 長良川や板取川の美しい水質で育つ天然鮎。 綺麗で味もよく、シーズンには平日でも早朝から賑わうほどの人気です。 |
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山を楽しむ | トレッキング | 古城山や誕生山など、日帰りで手軽に登れる里山がたくさん。 低山ながらも、頂上からは開放感あふれるパノラマが広がります。 |
ボルダリング | 国内を代表する、フクベボルダリングエリア。 美濃市最高峰・瓢ヶ岳の山中にあり、山頂からは白山や伊吹山、北アルプス、中央アルプスが臨めます。 |
非日常を味わいたいなら、ぜひ川へ。ダイナミックなラフティングのほかに、ゆったりと水上の景色を楽しめるSUPもおすすめです。「清流の国ぎふ」ならではのアクティビティをお楽しみください。
トレッキングやボルダリングのほかに、自分で伐採した木を使って木工品を作れる木こり&木工体験も。樹上の世界が楽しめるツリークライミングやオリジナルハンモックづくりなど、森の中で自然に囲まれながら体験できるアクティビティが充実しています。
04
清流育む山里・美濃市には、自然の恵みから生まれた山の幸・川の幸を使ったグルメが揃います。
美濃市の名産はなんといっても、世界農業遺産にも登録された「清流長良川の鮎」。澄んだ水の中で育った鮎は味がよく、見た目も美しいのが特徴。「長良川鮎」「美濃鮎」と親しまれ、毎年、全国各地から鮎師の方々が集います。
地元の山でとれた猪を味噌で仕立てたぼたん鍋も絶品。冬期寒冷な盆地型気候と長良川の名水により生まれた地酒もぜひご賞味ください。
「香魚」とも称され、新鮮な鮎からはスイカのように爽やかな香りがするといわれています。
清流を目の前に、鮎の塩焼きから鮎雑炊まで鮎のフルコースが味わえる「ヤナ」もぜひご利用ください。鮎のお刺身は新鮮だからこそ味わえる逸品です。
猪肉の脂の甘みとコクが野菜と絡む、冬の風物詩・ぼたん鍋。ジビエが初めての方もぜひご賞味ください。臭みがなく柔らかい猪肉はクセになる美味しさです。たっぷりの野菜と一緒にどうぞ。
05
美しい山々や清流に恵まれた美濃市では、春の桜や夏の渓流、秋の紅葉に冬の雪景色…と季節ごとに美しい景色に出会えます。
また、春の「美濃まつり」や秋の「美濃和紙あかりアート展」をはじめ、代々受け継がれてきたお祭りも盛ん。いつ来ても、何度来ても、あなたを新しい出会いへといざないます。
飛騨・美濃さくら33選にも選ばれている小倉公園は、市内随一の桜の名所。4月上旬に見ごろを迎え、ライトアップも行われます。明治後期から続く美濃まつりは、豪華絢爛な花みこしが見どころ。鮮やかな和紙の花が咲く、大迫力の春の風物詩です。
6月初旬に鮎の友釣りが解禁すると、全国各地から鮎師の方々が訪れます。同じく6月中旬頃にはホタルが舞い始め、幻想的な夜の世界に。ラフティングや川遊びなど、暑い夏にぴったりなアクティビティを満喫できます。
10月、うだつの上がる町並みが柔らかなあかりで灯される「美濃和紙あかりアート展」が開催。11月後半には、大矢田神社や片知渓谷など紅葉の名所が美しく彩られ、にぎわいを見せます。名産品、曽代柿の収穫も進みます。
和紙づくりに欠かせない、コウゾの寒ざらしが行われる冬。時折降る雪が、美濃のまちをしっとりとした雰囲気に包み込みます。真っ白な雪化粧をまとった景色は日本情緒たっぷりです。